ジャンル:社会派
『コンクリート・ユートピア』は、ソウルを舞台にしたディザスター映画、より正確には「ディザスター後」を描く映画だ。この映画は、『マッドマックス:怒りのデスロード』の前日譚ではないか? 映画を観ながらそんなことを思っていた。 ディストピアへの道 …
ロボコップの劇中劇、というか劇中ニュース番組である『メディアブレイク』が、いまも大好きだ。 それは虚無と皮肉と俗悪な犬儒で彩られたロボコップの、煮凝りのような報道パロディだった。レーザー衛星で誤射される元大統領とかアマゾンの原発事故とか、当…
観終わって、なるほどと感心した。こういう映画はNetflixだからこそできたのかもしれない。ド派手なブロックバスターとも、単館系の物語映画とも、あるいはテレビサイズのドキュメンタリーとも違った、特異な手触りだ。 あらすじ 部下からの信頼も厚いアメリ…
観終わって調べてみて、びっくりした。これ、M・シャラマンの『シックス・センス』並みの叙述トリック作品じゃないか。ボストンマラソン爆弾テロ事件を、状況も登場人物も現実に極限まで近づけて描いているのに、肝心のあるものだけが、現実じゃない! いや…
たいへん面白いテーマで、小説の翻訳が出た時は読もう読もうと思っていたものの、結局スルーしてしまった。ごめんなさい。で、めでたく映画になったんで観たわけだけど、なんとも感想が言いづらい映画だなあ。 映画の半分は、実際にドイツじゅうでヒトラーの…
カトリック教会の小児性愛スキャンダルを暴いた、2002年のボストン・グローブ誌の取材チームの活躍を描く映画『スポットライト』。事件がどれだけ酷いものかは語りつくされていると思うんで、「物語」としての感想を書くと、びっくりしたのは、編集局長マー…
たとえばドラマ『クリミナル・マインド』なんかそうだけど、異常犯罪・猟奇犯罪をテーマにしたサスペンス・ドラマはたいてい、警察VS犯人、事件が解決するまでを描く。事件の「被害者」は、実のところ脇役でいることが多い。ところが、この映画はその逆を行…
亡命イラン人作家モフセン・ マフマルバフがジョージア(グルジア)で撮影した、その名のとおり独裁者とその孫を主人公にしたロードムービー。一種の地獄めぐりで、視聴者は彼らとともに、辛い現実を何度も目撃することになる。 あらすじ とある国。富を謳歌…
帝国時代の日本の「特攻」の精神性は、欧米には理解されないのか。あるいは自爆テロの行動原理は、我々には理解できないのか。どうなんだろう。 実はアメリカのテレビドラマでも、主人公側が特攻をかける描写は結構ある。中には直接的に神風特攻隊に言及し、…
Twitterを使った『ロー&オーダー:UK』おおよそ140文字エピソードガイド&感想、第3シーズン。本国では第5,6シーズンとして放送された。 あらすじ 英国検察庁ロンドン支局では局長のキャッスルが退任し、後任のヘンリー・シャープ検事が指揮を執ることにな…
Twitterを使った『ロー&オーダー:UK』おおよそ140文字エピソードガイド&感想、第2シーズン。本国では第3,4シーズンとして放送された。 あらすじ ロンドン各地で起こる重大犯罪は、ナタリー・チャンドラー警部補指揮下のセントラルロンドン署重大犯罪課に…
Twitterを使った NHK BSプレミアム放送中のドラマ『刑事フォイル』の全話レビュー。 各話視聴後に追加していきます。 あらすじ 第二次大戦さなかの1940年、イギリス南部の町ヘイスティングス。軍務を希望しながら人手不足を理由に赴任してきた警視正ジョン・…
ある意味すっごくしんどい映画だった。傑作であることは間違いなくて、とってもフザけた内容で、スタイリッシュに描かれたスパイアクションだ。だけど、その毒に満ちたファンタジーは、劇中挿入される現実のイギリス下層社会に鬱積している感情の発露だ。イ…
個人的にこれを『ロボコップ4』と呼ぼう! ロボットの在り方はロボコップとほぼ同じ、ただ違うのは、ロボコップがロボットから人間への回帰だったのに対し、本作が新しい知的種族の発生を描き、テーマが外に広がっていくことだ。 あらすじ 荒廃した南アフリ…
韓国版極悪タイタニック。漁船の密室空間でおこる惨劇、そして登場人物がどんどん狂っていき、人間の持つ本性が明らかになっていく。冒頭で緻密に描かれた日常が、終盤の圧倒的な異常空間と見事な対比となっている。
Twitterを使った『ロー&オーダー: UK』おおよそ140文字エピソードガイド&感想、第2シーズン。 注: 日本のスーパードラマTVの放送では英国のシーズン1と2をあわせて “シーズン1” とカウントしている。 あらすじ 英国検察庁ロンドン支局では、アリーシャ・フ…
英国版ロー&オーダー 第1シーズンの全話あらすじ+感想まとめ。米国のオリジナル版シナリオを翻案し、現代英国の社会問題を見出していく。原作から見事に飛躍した傑作もあれば、パワーダウンする話も。比較も楽しい。
Law&Order 全話レビューの5段階評価から、★5点をつけたエピソードだけを列記してみました。全456話中なんと96話! これだけで通常のドラマシリーズ4シーズン分はあります。
独断で決める Law & Order 各シーズンベスト3、シーズン16~20の計107話から、15話を選出。 いよいよシリーズ終盤、キャストが若返えり、派手な展開のエピソードも増えています。
全20シーズン・456話あるLaw&Orderのベスト3。シーズン11~15の計120話から、15話を選んでいます。9.11同時多発テロが起こり、社会のありかたが少し変わり始めたこの時代。ベストエピソードにもテロの余波を描くものが増えています。
Law&Orderの各シーズンベスト3、シーズン5~10の計118話から、15話を選んでいます。もしここに列記したエピにハマれなくても、選択肢はまだ103話あります。いろいろ観て、お気に入りの犯罪を探してみよう!
全456話もあるLaw&Orderから、独断で各シーズン3話ずつ選びました。幅広く楽しむため、敢えて点の低いエピからも選んでます。いろいろ観れば、きっとお気に入りの殺人事件が見つかるはず!
ケネディ暗殺を描いた映画の中でも、本作はよくある陰謀論から一歩引いて、『ER』のように事件のパニック的な状況に関わる“普通の人々”を描いた群像劇だ。硬派でいい映画なのに、もうひとつ足りないのは、(ない物ねだりだと判っていても)ユーモアなんだと思…
今後通算40シーズン以上が作られていく一大フランチャイズ・シリーズの幕開け。凶悪犯罪の多発した80年代から、価値観の多様化と共に犯罪も多様化していくアメリカの状況を真摯に描いていく。
『グッド・ワイフ』おおよそ140文字全話エピソード・ガイド&感想。これまで物語を引っ張ってきたアリシアとピーター、ウィルの関係がひと段落し心機一転。意外なところでカリンダのダークな過去が物語をひっかきまわす。管財人やピーターの選挙戦など、新た…
ド直球に社会問題を描く映画はテーマ性が先だってしまいバランスが悪かったりするよなあ……と薄っぺらい皮肉を考えながら観に行ったらごめんなさい。飛び込んでくるのは絵の美しさ、編集の巧みさ。そして、絵に込められた様々な比喩の説得力。上手い。すごく…
Twitterを使った『ロー&オーダー』おおよそ140文字エピソードガイド&感想、第9シーズン。 あらすじ 娘との生活を優先させるために退職し、再び弁護士として活動をしていくこととなったロス検事補。彼女に代わり、麻薬犯罪専従で手柄をあげてシフ検事に買わ…
Twitterを使った『ロー&オーダー』おおよそ140文字エピソードガイド&感想、第8シーズン。 あらすじ NY地方検事局、27分署とも、人員の転換もなく始まるが、検事たち、刑事たちは、それぞれが抱える個人的な問題に直面することとなる。 27分署で見事な手腕…
Twitterを使った『ロー&オーダー』おおよそ140文字エピソードガイド&感想、第20シーズン。 あらすじ ついに最終シーズンとなるシーズン20。NY地方検事局、27分署とも、前シーズンからレギュラーの変更はない。しかし27分署では、ヴァン・ビューレン警部補…
第19シーズンの5段階評価つき140文字エピソードガイド・感想。前シーズン後半でグリーン刑事から交代したバーナード刑事が引き続きレギュラーに。検事選に挑むマッコイ検事の正義追及はますます激しくなる。