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farsite / 圏外日誌

Gaaoline's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

ダイアモンド・エイジ / あ・じゃ・ぱん! / 摘録 鸚鵡籠中記

買ってしまった。

カネがロクにないのに、スティーブンスンの『ダイアモンド・エイジ』の単行本定価3,000円を。だって前作『スノウ・クラッシュ』も単行本で買っちゃったし。んですっげー面白かったし。だから新作待ちに待ってたわけだし。

で、感想。うー実を言うと、ちょっとコケた。

出だしでもちょっとペースをつかみかけるものの、ファン判事のニューヨーク訛の儒教裁判のシーンでイイ感じにキてくれて、コレだよコレ! あたしの求めてたエンタテインメントは! てな具合で中盤はホントに気分よくガンガン読み進められる。んだが、クライマックスに向かうにつれてハナシがヘンな具合にデカく、散漫になってきたような感じで。ファン判事は出なくなっちゃったし、肝心の主人公ネルのストーリーもなんだかただ回転してるだけ、って印象。いちどは主人公が友人のフィオナに移るのかと思ったよ(その方がオモシロそう)。読後感がちょっとフラストレーティングかなあ、と。

でもまあ、一気に読めて面白かったことにかわりはない。このテのSFは、現代社会(20世紀末)との繋がりをいかに魅せるかってのがポイントのひとつだと思うんだけど、スターリングの描く「今の延長線上の未来」より、もっと俗っぽくてダシが効いてて、かといってケレン味過剰ってわけでもなく僕には魅力がある。

 

なし崩し的に続けよう。その直後に図書館で矢作俊彦の『あ・じゃ・ぱん!』を借りたんだけど、なんとスティーブンスンとおなじテンションでゲラゲラ楽しみながら読めてしまった。戦後日本が東西分割されている架空世界の政治コメディなわけで、舞台設定的には現代だからSF的ガジェットも大ネタもほとんど無く、まして話の根幹にSF的感動があるわけじゃないんだが、ムチャクチャサイバーパンクっぽい感じ。

それから戯れに岩波文庫の『摘録 鸚鵡籠中記』なんてのも読んでる。原書は江戸時代中期の地方官僚武士の膨大な日記で、歴史研究関係ではわりと有名。実はこのWEB日記のタイトルを考えたときこれから採ろうかとも思ったんだが、なにしろ当時の自分が海外に出て大学生やってるって立場で「鸚鵡籠中」とは正反対に近い感じなんで、やめといた。

で、この本はそれをそのままよりすぐって載せてるだけのものだが、これがまた赤裸々。なにしろ友人が下痢で大便18回とか、自分が酒によって門の所でこれまた大便漏らしてしまいフンドシが臭いの汚いの、みたいなシモ関係を含めて、ほんとになんでも書いてあるのだ。戦後まで名古屋のお城に蔵されて公開禁止にされていたらしいが、こりゃ頷ける。プライバシーの問題だよ。

妙に感動したのが、僕は日本の時代小説を一切読まないのでアレなんだが、この日記に出てくる武士や町人・農民の喧嘩/戦いのシーンで、「取り巻きのもの数人も切り殺す」といった描写がかなりあること。日記に名前のあがる喧嘩の当事者同士だけでなく、その家にいる名も無き家来やら友人やらも一緒に切りあって殺されるってのは、テレビ時代劇のあの殺陣シーンはあながちウソじゃあないのかなあ、と思わせる。まあこの戦闘の原因が酒の席での暴言とかだったりするから、情けないと言うか命の軽さが恐ろしくも感じるんだけど。

  • 朝昼夜 なにたべたかおぼえてない。