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Gaaoline's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

未知への飛翔

韓流ブームの到達点

インチキ職場で私のアシスタントだった方が、契約を終えられた。アシスタントって表現は上下関係みたいで嫌だけど、会社はそう定義してる。要は営業と車内事務の関係ね。お互い紐づいてひとつの仕事をするヒト。

とてもできる人だったし、いなくなられたら自分が困るんだけど、仕事をやめるようたきつけたのは、実は自分だったのかもと思っている。ちょびっとだけ。

30前半既婚の彼女は、1年ほどまえから 『冬のソナタ、ヨン様にハマってしまった。一連のブームの中では、かなり早い段階でハマってたんじゃないかと思う。更にそこからイ・ビョンホンや、神話(シンファ)のナントカ君にのめりこんで、職場にも伝道活動をしていたようだ。まあ典型的な韓国芸能ファンになっていったわけ。

そんな彼女に、私は、自分の知っていた韓国の知識を、ほんの少し話した。韓国語が英語などに比べてはるかに容易な言語であることや、韓国暮らしのあれこれを。

そうして、いつのまにか彼女の興味は、“韓国そのもの”になり、韓国語の勉強を始めていた。彼女の関心の高さを考えれば、私が思っているほんの少しのブーストなんて必要なかったかもしれない。

彼女の韓国語の上達は、それは目覚しかった。ほんの1年で、4年前の私の知識など追い抜いてしまった(自分の知識がいかに抜け落ちたかの裏返しでもあるんだけど)。なにしろ毎週12時間ぐらいの韓国ドラマを、楽しんで観てたんだから、上達しないほうがおかしい。

そして、その熱意の到達点として、彼女は韓国留学に進む。夫と親を説き伏せ、職を辞め、ほんの1ヶ月だけだけれど、外国生活を体感しに行く。それまでは結婚生活や親との関係の苦労話を聞かされることも多かったけど、留学に備える彼女はまるで、それまでの人生で封じていた何かを解き放とうとしているようだ。

彼女自身、それで何かが変わるだとか、何かに出会えるだとか、そういうことは考えていないようだ。冷静だ。

でも、それでも、行かなければならない。彼女の感情、彼女の人生に、収まりがつかないのかもしれない。

私のちからなんて、微力もいいとこだったけれど、実は、せいいっぱい応援していた。知らない何かを知ろうとしているひと、知らない世界に踏み込もうとしているひとを、応援しないわけにはいかない。だいたい私自身、海外ドラマにハマって留学したクチなんだし。

ひとりのひとが、異なる言語や、もっと大きなものに関心を持つ現場に立ち会えて、僕は本当にうれしかった。

無関心からの反転

最近の韓流ブームはおかしい、キモチ悪いと、多くのヒトが言う。確かにそうだと思う。ところが、よく考えてみれば、それ以前の日本の大衆の韓国への関心のほうが、もっとおかしいのだ。隣の国とは思えないぐらい、あまりに無関心だったのだから。

過去、どの程度の日本語話者が、第二・第三言語として韓国語を習ったのだろうか? 確かに植民地期・戦後の特殊な経緯もあるし、『発展途上国側が先進国の言葉を習う』という冷たい事実もあった。が、そんな状況は終わりにして、そろそろ、たとえばフランス語を習うイギリス人と同じ程度に、韓国語を習う日本人が増えてもいいんじゃないかと思う。

確かに韓流ブームは作られ過ぎた感もあるけど、結果的にそれがきっかけになって、韓国全般への知識や交流が向上されるんなら、ぜんぜんOKだと思う。その質がどうであれ、ゼロよりは1のほうが、ぜんぜんOKなんだ。