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farsite / 圏外日誌

Gaaoline's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

『超弦領域』 読書感想

ジャンル:SF

2008年日本SF傑作選。別に酔ってるわけでもないけど、書きたいことをかいちゃおう。

  • 『ノックス・マシン』ミステリの事に通じてなくても、まっとうに面白かった。観慣れた/読みなれたタイムトラベルネタでも、ちゃんと説得力のある文章を書ける人の手にかかると違うなあ。簡単に想定できそうなオチなのに、最後まで気づかず楽しんでしまいました。
  • 『エイミーの敗北』最初は読みづらいと思ったが、おお、感動した。怪奇譚は現実と異常世界との接点にキモがあるけど、未来を舞台に接点を探すとこういうSFになるのか。ちゃんと妖怪で“オチ”がついてるのは、さすがというか安直と言うか……。
  • "One Peace" うーん、思わせぶりな文章のまんま、いまいち感動も感慨もなく終えてしまった。すみません合いませんでした。
  • 『時空争奪』壮大なハードSFとコテコテのホラーを結びつけるには、ちょっと説得力が薄かったのでは。どっちかを楽しみたい。ちなみにこのネタ、スタートレックTNGの最終回に出てきた“反時間”というアイディアと、実は同じモノなのかも。そう考えるとやっぱりスタトレのSF性も捨てたもんじゃないなーなんてピントの外れたこと考えてた。
  • 『土の枕』ちくしょう面白い。良い文章だった。あとがきでもう一段、SF的感動を持ってくるって、ズルいなあ。
  • 胡蝶蘭』中学校の頃同じこと思ってた! んで美術の授業でそういうデザインを描いた気がする。端正な文章。短編らしい短編で好きです。
  • 『分数アパート』うーん。箸休めにしても、散漫な印象。
  • 『眠り課』もうちょっと、キレを。
  • 『幻の絵の先生』なるほど『1001話を作った男』も読んでみたくなる文章。
  • 『全てはマグロのためだった』このドライブ感は確かにSF。ただ、オチのつけ方はもうちょっとヒネって欲しかった。あとこれも反則的にズルいのが、あとがき。泣きそうになったよ。応援するよ。
  • 『アキバ忍法帖』こちとら岡田あーみん世代なんだよ今更コレで笑えったってムリなんだよ! という感。こういうのがアリだってのは理解できるんだが、パロディだけで話は話らしくオチてないし、文章もがんばりすぎてクドく感じる部分が多い。ギャグが甘い。って真面目に言うだけあほうか。読んでてこっぱずかしかった。
  • 『笑う闇』本編ベスト。これは凄い。SFとしてでなく、漫才師の物語として引き込まれ、その修行(?)描写に涙ぐんでしまった。そしてそこから垣間見える深いSF性。リアリティがある。
  • 『青い星まで飛んでいけ』あああ直球で凄く好きな宇宙SFなんだけど、なーんか表現がマンガ臭くて軽い。その軽さとヘビーなSF性の掛け合わせがイイといわれればそうなのかもしれんが。『虚構機関』のときも同じようなこと書いたかも。
  • 『ムーンシャイン』くやしいけど、こういう文章を楽しめるほどアタマが発達してないんだな。あ、これも同じこと書いてる気がする。
  • "From the Nothing, With Love." あれっ『虚構機関』でも誰か同じネタで書いてたのがあったな……と思ったら、こっちは更に一歩進めてきた感がある。そうか、このキャラであのネタやって、ここまで導き出せるんだ。凄い。断然いい。面白い。

 

超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)