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Gaao Line's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

初盆

祖父の初盆で実家に帰ってきた。10日の週は休暇でまた帰るし、月末には今度は一周忌があるので、今月はほぼ毎週帰ることになるのだが。

盆飾りは立派だった。ホオズキ以外は畑に生えてるススキや野菜の葉を使って、葬儀屋に仕立ててもらったそうだ。だからよくみるとモロヘイヤなんかも飾られてる。お盆にエジプト野菜というのも妙かと思ったけど、よく飾るトウモロコシだって大航海時代にヨーロッパ人が南米から持ち込まなきゃ伝統に組み入れられなかったわけで、世界はもとよりつながってるものだなあ。

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お盆の正式名称は盂蘭盆とは聞いていたけど、おっさん(和尚さん)の挨拶がわりの講義によれば語源はサンスクリット語ウランバナだそうで、更にたどればゾロアスター教だ。ほんと、つながっている。

ちなみにお寺のある谷の集落は先日の豪雨で土砂崩れが起きニュースになったんだが、和尚さんどこが崩れたか知らなかった。2000年前のインドの事は知ってるのに……。

 

お経のあと会食に隣町の葬儀会館に向かう。国道は混んでいるけれど、東京ではあれほど見られるプリウスが、一切、一台もいない。まるでハイブリッド技術が発明されなかった平行世界のニッポンに、迷い込んだようだ。

国道沿いにはますます安っぽいロードショップが増えたけど、遂にニトリも進出していた(ニトリはかなり高級に見える部類)。ユニクロニトリがあれば生きていける時代、競合はどう生き残ってゆくのか。

 

家の裏の市営住宅が一棟、更地になっていた。親が子供の頃建てられたというから、50年以上建っていたのか。歴史の教科書に出てくるような20世紀前中期様式の文化住宅で、色褪せた木造は今となっては掘っ立て小屋かという古びかただったけど、最近の腐れデベロッパーが建てるアパートよりは、よっぽど良い建築だったんだろうな。

少し前は、英語教育のために市が雇った外国人教師の夫婦が住んでいた。夫の方は何故か阪神タイガースの大ファンで、野球シーズンになると縞の法被に帽子を被り、ちゃぶ台でビールを飲みながら野球を観る白人のおっさんが、縁側から見えたそうだ。その姿はランディ・バースに似ていたという。