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farsite / 圏外日誌

Gaaoline's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

海外ドラマ: THE LISTENER シーズン1 プレミア『自立』

――トロントの救急救命士、トビー・ローガンには秘密があった。彼は他人の思考を“聴く”ことができる、テレパスなのだ。子供の頃からこの能力に悩まされ、コントロールするすべを身につけていたトビーだが、ある朝、自動車事故に遭った女性の強烈な思念が、彼の脳に入ってきた。能力によって彼女を救うことができたトビーは、彼女の思考と言動に矛盾点があることに気づく。彼女はある犯罪に巻き込まれた事実を隠していたのだ。唯一の理解者であるマーサー博士の助言もあり、トビーは彼女を本当の意味で救うために動き始める――

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ヤングアダルト向け“すこしふしぎ”系サスペンス。“すこしふしぎ”系ってのは、『X-ファイル』や『HEROES』のようなハードな超能力/SFモノでなく、ピンポイントの超能力や霊能力を主人公がまとって、それで問題を解決するおはなし、と僕がいま考えた。こういう“すこしふしぎ”番組は、どっちかっていうとハートウォーミングな作品になることが多い。『Early Edition』や『ゴースト 〜天国からのささやき』とか。その能力の源流が、キリスト教的な奇跡に重なるからなんだろうな。

んで、この番組がなんと米国に先駆けてプレミア放送ということで、3末にFOXチャネルがキャンペーンをしてた。

米国より先に米国の番組が始まるなんて確かに珍しい。少し調べてみると、どうもそもそもカダナのCTVが製作する番組で、米国向けには地上派でCBSが放送権を取得し、その他の国向けには国際放送のFOXが放送権を取得したということらしい。なるほど、CBSは米国とほとんど変わらないクオリティの番組を安く仕入れて満足。米国外向けはFOXがまとめてやってこっちも高粗利、と。CTVはいいセールスしたんだろうな。

ということで、日本以外でもかなりの国/地域のFOXが、CBSより先にこの番組を放送するようだ。そういう時代になったのね。

んで、肝心の番組だけれど、たしかに何も気にせずに観てると、遠景に映るトロントのCNタワーなんかを気にしなければ、ふつうの米国産ドラマかな、と思っちゃう。ヤングアダルト向けなんで、演技も若いけどクオリティが低いわけじゃない。でも、これはカナダ産だと思った瞬間、なぜか、凄くカナダっぽく感じてしまう。

すごく、“やさしい”のだ。

なにしろ最初に書いたとおり、“すこしふしぎ”はシビアな番組になりにくい。本作もプレミアを見る限り、形態的にはサスペンスなんだけど、胸をえぐるような辛らつな描写が無い。ハードな暴力描写も無い。主人公は毒っ気の微塵もない好青年で、彼の超能力で(言い換えれば“奇跡”だな)、困ったヒトを救う。ヤングアダルト向けなのに、ストレートにやさしい物語に感じる。それってなんか、凄くカナダっぽい! 『騎馬警官』なんかで観たカナダ人のやさしさ、純朴さを感じてしまう。

主人公は救急救命士で超能力者。周囲には刑事と医師を配置。ジャンルドラマのネタをきれいに揃えてる。これで、どこまで毎回物語をふくらませてくれるか、見ものだ。できれば、このカナダらしさがずっと見られればいいな。やっぱりこういうやさしいドラマも、必要だよ。


それにしても、クライマックスで崖から落ちるサスペンスって、いまどき珍しいかもしれんなあ。

蛇足:FOXのサイトのあらすじ紹介、第1話の梗概がそのまんま載ってます。オチまでまるわかり。

Early Edition: First Season [DVD] [Import]

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日本にはどうやら輸入されなかった、『Early Edition』。隠れた名作です。