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Gaaoline's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

海外ドラマ: スタートレックヴォイジャー: おおよそ140文字全話レビュー シーズン2

このレビューではじめて5点満点評価なんてことをしてるんだけど、作品の面白さを測るんでなく、いまの私が何を“おもしろがっているか”を測る物差しになるんだと思う。

ちなみに私は『新スタートレック』(TNG)第3シーズンを信仰してるので、TNG第3、第4シーズンあたりだと星5つが連発することになる。ただこの評価は15年以上変わっていない。掛け値なしに、革新的なSFテレビドラマ、珠玉の作品群だったと信じている。



2-1『ミッシング1937』
古代に誘拐されて来た地球人と彼らの子孫、出会ったことでそれぞれの人生に葛藤が発生する。スタートレックらしい物語。だが子孫たちの生活など、本当に観たいドラマになりうる部分がカットされたような内容。前後編でじっくり観たかった。実に惜しい。★★★


2-2『ケイゾン戦士誕生』
チャコテイ心の旅。今回はひとりの異星人の子供の成長を促す。子供の演技もいいし、アクションもそこそこ楽しめるんだが、SFとしての驚きに欠け、あと一歩盛り上がりに欠ける。チャコテイって、いまいちキャラが活きてこない。★★★


2-3『ホログラム』
ドクター主役のエピ。ゲストでTNGのバークレイが登場しトリックスターを演じる。コミカルなシチュエーションが次第にシリアスな展開になっていくのは面白い。だがホロデッキがメインだと何でもアリになるので逆に先が読めてしまう。★★★


2-4『繁殖期エロジウム』
ケスが繁殖期になるんだが、セクシーになるならまだ救いが土を食ったり奇行を繰り返すだけで中途半端に不気味。それを延々と見せるだけで、繁殖期の原因も結果もたいして驚きがあるわけじゃない。退屈とまでは行かないが、なにがやりたかったんだ。


2-5『現実への脱出』
キムがいつもの船内から抜けて、地球でパリスと大冒険。1-4話もそうだったが、時間旅行/改変モノは安易にやると説得力のない話になり易い。なんで同じ場所で同じ事をやれば元の時間に戻れるんだ? まあ過去傑作も多いんだけど。ワイルドなパリスは、うーん。★★


2-6『空間変動波』
構造はTNGの傑作『謎の頭脳改革』に似ているが、こちらはずーっと迷路で迷い続けるだけで、最後の驚きがおまけ程度にしか感じられない。VOYは“なぜか”を説明しない/できない話が多く、あと一歩感が強い。シチュエーションは面白いが。★★★


2-7『地獄の星』
パリスとニーリックスの恋の鞘当て決着編。どうもこの恋愛設定、パスタを投げたり子供っぽすぎてしっくりこない。物語のほうも遭遇する生物の扱いも設定が甘く、なんだか納得感がないまま解決してしまった。久々の戦闘配置はいやおうなく盛り上がったが。★★


2-8『ボーサ人の攻撃』
またもホロデッキの異常かと思いきや、事態は妙な方向に。クルーが少しずつおかしくなっていくその過程がじっくりスローに描かれていくだけで、話の決着の付け方はなんとも納得感が無い。敵がなぜこうしたか、が判らないままでは……。★★


2-9『天の精霊』
チャコティ心の旅、先祖の霊に出会うの巻。2-1話の逆パターンで過去に地球に行った種族と逢うのだが、強引かつ非科学的な設定・展開が多すぎて辟易。後半は教育番組を見ているような感じ。チャコティの全裸は……アクチモヤ!★★


2-10『管理者サスピリア』
1話の設定を掘り起こしつつ、ケスを主人公にしたエピ。超能力を持つということが、他者にとってどういうことなのかを掘り下げ、それをホラーに仕立てあげた秀作。超能力を高める描写は非常に説得力がある。サスピリアの姿はホラーの王道すぎて笑った。★★★★


2-11『ケイゾンの謀略』
ケイゾン&セスカ再登場。戦闘シーンの戦略の騙しあいも、チャコテイとセスカ、カラとの対話も緊迫感があるが、解決策がすこし拍子抜け。カーデシアの特殊メークを施したセスカは表情に陰影が増し、女の執念と残酷さを見せつけてくれる。★★★


2-12『レジスタンス』
異星に取り残されたジェインウェイと、彼女を娘と見誤った老人の物語。スタトレ以外で見た事ありそうな物語だが、美術がよく雰囲気が出てるし、役者のちからもあいまって、老人の悲哀が伝わってくる。サブプロットのスポックとベラナの対話も秀逸。★★★★


2-13『ユニット3947』
ベラナが救ったロボットは殺人兵器だった! と書くとありがちな設定だが、そこから生命の尊厳、文明の宿命という物語に繋げた展開はSF的でひきこまれる。ベラナの優しさと純粋な探究心が伝わってくる。が、このロボットのデザインはさすがにヒドいのでは。★★★


2-14『平和協定』
シーズン2連続シナリオのクライマックスに繋がるプロット。戦闘的なケイゾン文明の成り立ちが鍵となり世界観が広がる。キャラが複雑に絡むシナリオは緊迫感があるし大気圏内外を結んだ砲撃シーンもカッコいい。ただシリーズ展開の為のエピなのでカタルシスは薄め。★★★


2-15『限界速度ワープ10』
ワープ10を超えたらパリスと艦長がトカゲになっちゃった! どんな設定で何が描きたかったのか、理解に苦しむ珍エピ。ワープ速度の限界に挑むというスタートレックシリーズ共通の重要なネタを、こんなオチで放棄していいのか。笑っていいのかな……。


2-16『殺人者スーダ』
バルカン人とベタゾイド、シリーズを代表するテレパス種族の設定を巧く使い、人間の生来持つ暴力性と、その治療という二重の暴力を描きだした傑作。原語も吹き替えも演技が素晴らしい。精神融合でスーダが暴力性を取り戻す際に見せる一瞬の恍惚はその頂点。★★★★★


2-17『惑星破壊ミサイル』
最強の防御機能を備えたミサイルを停めるため、ミサイルのコンピューターとトレスの騙しあいが始まる。無機質な機械と感情的なトレスとの対話がサスペンスをよく盛り上げている。艦長と異星人の対話も印象的。ラストは余韻がもう少しあれば。★★★★


2-18『Q1、Q2』
おなじみの万能知性、Qがゲスト出演。ついでにライカー中佐も連れてくる。独立したお話としてもなかなか面白く、すべてを経験した神のごとき種族が直面する死の問題を、様々な表現方法で見せてくれる。ただもうすこしデタラメさが欲しかったかも。★★★


2-19『ドクターの恋』
邦題からライトな内容かと思いきや、女性の美醜という非常に重たいテーマを扱ったエピ。オープニングで本来の姿を取り戻した女性の涙に引き込まれる。穿った見方をすれば、半AI化した人間にAIがどう反応するかという点でも面白い。★★★★


2-20『パリスの裏切り』ニーリックスが主役となるエピソード。サスペンスもアクションも友情もあるが、いまいち乗り切れない。ニーリックスはともかく、パリスやチャコテイらの描写がかなり軽くて共感できない。特に裏切り者の末路は、いくら無名でもこれじゃ単なる物語の道具だよ。★★


2-21『二つのヴォイジャー
またも時空が歪む。今回は時空変動の影響で物質は複製されたが反物質はされないというトリッキーなSF設定で、サスペンスは最後までとても盛り上がる。ただやはり様々な設定破綻を起こしており納得感がない。「宇宙には不思議はつきもの」と言われても。★★★


2-22『怯える子供達』
論理的なトゥヴォックが非論理的な子供の集団を相手にしたらどうなるか。ただそれだけのエピ。物語はだらだら進み、SF設定は安易過ぎて説得力が無いし、エンディングのトゥヴォックや艦長の反応も感情が伝わらない。転送で異星人を迎えるシーンは久々だったな。★★


2-23『悪夢の世界』
これもホロデッキモノの亜種か。仮想空間で異星人を支配するAIとクルーの対決。人間の恐怖心から進化したAIは、すなわち恐怖そのもの。それに艦長が打ち勝つエンディングは振るってる。場所固定・会話重視でちょっとした劇団の舞台劇みたい。セットはTOS並。★★★


2-24『トゥーヴィックス』
1-14話とは逆に、トゥヴォックとニーリックスが合体してしまう。“なぜそうなったか”は例によってンなアホな!だが、“そうなると何が起こるか”の物語は、まさにSFの真骨頂。コメディではなく、残酷な命の物語だ。もっとじっくり観たかった。★★★★


2-25『ディヴィア人の協力』
艦長と副長は惑星に取り残され、トゥヴォックが新艦長となる。それぞれ興味深いシチュエーションで、リーダーとして成長するトゥヴォックの心理など見所がある。面白いのだが、シナリオとしてはSF的なアイディアもなく残念。サルは物語の役に立ってない。★★★


VOY2-26『ケイゾン総攻撃(前)』2年に渡り展開してきたケイゾン人との抗争が頂点を迎える。クライマックスの艦隊戦に向けた一本道の展開だが、様々な戦略が絡み合い飽きさせない。艦隊戦じたいも長く見応えがある。再登場のスーダは後編への顔見せ程度。ヴォイジャー責めは右舷から! ★★★★



シーズン総合スコア:76★/130★(100点換算=58点)