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アクエリアス 刑事サム・ホディアック - 海外ドラマ全話レビュー

現在スーパー!ドラマTVで放送中のTwitterを使った『アクエリアス - 刑事サム・ホディアック』おおよそ140文字エピソードガイド&感想、第1シーズン。

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あらすじ

1960年代アメリカ。ベトナム戦争とニューエイジの時代に、ひとりの怪物が生まれる。チャールズ・マンソン。ヒッピーに憧れる女性をかどわかしコミュニティを作り上げた彼は、次第にその異常性を増大させていく。

刑事サム・ホディアックは、彼の不倫相手グレース・カーンからの依頼で、マンソンのコミュニティに加わった彼女の娘エマを追う。パートナーのブライアン・シェイフとともにマンソンに近付くホディアック。だが、マンソンと決して口外できない関係を持つエマの父親ケンの事情もあり、事件は容易に解決しない。ホディアックは時代の抱える様々な問題と対峙しつつ、次第に問題の核心に近付いていく……。

エピソード・レビュー

1-1『燃えつくせ』

チャールズ・マンソンに拐かされた弁護士の娘を探すため、サム・ホディアックが捜査を始める。ドゥカヴニーの演技はいつも通りでむしろ目立たず。強烈な印象を残すのは最後のマンソンのゲスさ! やはり実物は違う。ところで邦題日本語おかしくない? ★★★

1-2『罠にかかった狩人』

マンソンを追う傍ら、ある事件で無実の黒人活動家を逮捕し利用するホディアック。古株刑事のやり方にヒッピー世代の刑事の人種に関する正義感が対立する構造。ただ全般的にソフトでもう一歩迫力が欲しい。一方今回もマンソンとケンはゲスで素晴らしい。★★★

1-3『永遠に一つ』

マンソンの隠れ家に入る刑事やエマの両親たち。目の前にエマの陰がちらつくのになすすべがない。この60年代の異様な空間、ぬるりとした空気感がよく表現されている。しかしマンソンに敵対するはずの大人たちも好き放題セックスしすぎでなにが何やら。★★★★

1-4『君は君のままで』

売人殺しを追いつつマンソンからエマを救い脱走兵の息子も探すという三面六臂のホディアック。相変わらず皮肉が心地よい。エマの父親もエマ自身もいい感じでタガが外れ、ドラッグまみれの爆笑エンディング。LAの都市のカット、背景フルCGがミエミエ。★★★★

1-5『変化の兆し』

サムの黒人焼死事件の捜査を阻むブラックパンサー党。一方マンソンはエマを追う。全編が暗いトーンでまとめられ、暴力性も高い。初めてマンソンが力に負ける描写は新鮮で、かつ来るべき凶悪な何かを仄かに予感させる。ブラックパンサーの描き方も興味深い。★★★★

1-6『青い影』

ブライアン家を襲う人種差別犯罪、タリー巡査の挑むDV事件と、本筋は停滞するがバラエティに富んだ展開。今回は正義(警察)と悪が明瞭に分かれて描かれるため、重い葛藤を強いられず安心して楽しめる。唯一不安を掻き立てるのは凶器を得たマンソンの狂った瞳。★★★★

1-7『誘惑に負けて』

映画スタジオで起きた十字架の処刑を模した殺人を追う。ブライアンと黒人の妻の描写、男社会の警察でもがく女性警官の描写、しかし物語の筋はいまいち判然とせず……と思ったら、最後サムとブライアンの同性愛についての対話でガツンと来た。見事なテーマ。★★★★★

1-8『病んだ町』

物語としては明確な進展がほとんどないが、表現される空気感は素晴らしい。サムの前で神父が殺され、ケンは地獄のような荒涼とした土地で岩を掘り返す。マンソンは完全に狂気の形相で、女を支配し男を簡単に殺す。それぞれが一体となり混沌へ近づく恐怖を感じる。★★★★

1-9『1967年のクリスマス』

黒人地区で起こった警官射殺事件。スローを多用し、口から血がこぼれ指に穴が開く殺害瞬間の描写は迫真。後半はコンパクトにまとめた感もあるが、人種差別、性差別の時代性をうまく織り込み、サムを単なる正義としない結びも強烈な印象を残す。★★★★★

1-10『人種の壁』

幻覚に苛むホディアックから始まり、現実を直視するホディアックに終わる。そこに挟まる物語はラティーノに対する差別がテーマ。白人社会でラティーノであることがバレるとどうなるのか、時代を映して興味深いが、シナリオは展開の先読みができてしまう。★★★★

1-11『不完全な家族』

サムは脱走兵となった息子の処遇について家族と話し、マンソンは母親と再会をする。メインとなる事件はブラックパンサーの兄弟についてで、家族がテーマといえばそうなんだが、暴力的な描写(精神的なもの含め)ががっつり心に残る。良い意味で嫌なエピ。★★★★

1-12『愛ゆえに』

映画の取材を受けたマンソンは、愛ゆえに行われたある裏切りに気付く。一方サムは息子を守ろうとするホディアックは賭けにでる。しかしその行為が7年前の事件に繋がり……。大きな闇が見えそうで見えないもどかしさ。嵐の予兆といったエピ。★★★

1-13 『過去を捨てて』

シーズンフィナーレ。ホディアックの息子の問題は転機を迎え、カーンの闇は明確化し、マンソンはまた一つ、狂気への階段を上る。全編非常に暗いビジュアルと音楽で緊迫感があるが、正直、各プロットを中途半端に消化しただけという感が否めない。カタルシスに欠ける。★★★

 

まとめ

総ポイント数

47 / 65

平均

3.62