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ベター・コール・ソウル:海外ドラマ全話レビュー

Twitterを使ったNetFlix配信中のドラマ『ベター・コウル・ソウル』の全話レビュー。

各話視聴後に追加していきます。

あらすじ

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2002年、アルバカーキ。のちにソウル・グッドマンを名乗る弁護士ジミー・マッギルは、きょうも公選代理人で日銭を稼いでいた。ジミーは自称電磁波アレルギーで引きこもりになった兄チャックの面倒を見なければならない。昔は有能な弁護士だったチャックを追い出したHHM弁護士事務所への復讐と、生活の一発逆転を狙うジミーだが、考えるのはセコい手ばかり。しかし、ひょんなことから彼はギャングに絡まれ、人生の歯車が思わぬ方向に回り始める……。

エピソードレビュー

1-1『駆け出し』

ブレイキング・バッドから役10年前の弁護士ソウルが主役。1話完結かと思いきや初回は連続エピで、彼がいかにダメかがたっぷり描かれる。色に拘った序盤の映像は美しく、顔をのぞかせる懐かしの面々も楽しい。だがまだ様子見なのかパンチが足りない。★★★

1-2『トゥコ』

第1話の完結編なので単話で見るとアンチクライマックス的。爆笑で転がりそうになったのが前半の「弁護」シーン。ソウルの口から出まかせに加えトゥコのバカで凶悪な部分が最っ高に炸裂して楽しすぎる。これが観たかった! 後半のコラージュも良い出来。★★★★★ 

1-3『ナチョ』

横領犯一家が誘拐されて、心にやましいもののあるソウルは……。1話完結のドラマと連続劇が、稀有なレベルで融合している凄い作品。練りに練った伏線に乗せられて物語がぐいぐい進む。一切法廷に出ないのに、きっちり弁論して解決するスタイルも斬新。★★★★

1-4『ヒーロー』

シリーズ立ち上がりのシナリオに片が付き、今回はスタンダードなコメディ回。音楽もあえてチープな感じ。これだ!という弁論がなかったのは物足りないが、ジミーの次々湧き出す悪知恵に顔がほころぶ。吹き替え版ものびのび演じられていて楽しい。★★★★

1-5『羊飼いの少年』

ジミーの兄の存在が今回の物語の主軸に。「電磁波恐怖症」の症状をまじめに描いたのは画期的。ジミーの頭の回転の良さが端々に見られるのが心地よいが、起承転結のある事件のプロットがなくコミカルな状況に終始しているのは少しフラストレーション。★★★

1-6『警官』

これまで謎の駐車場管理人だったマイクの知られざる過去を、一気にじっくり見せる。ジョナサン・バンクス渾身の演技。暗い背景に老いた彼の顔が精細に浮かび、冒頓と、しかし細やかにセリフを紡ぐ。まるで舞台劇。長い独白で物語が終わると自然と拍手が。★★★★★

1-7『ビンゴ』

ケトルマン夫妻事件完結編。今回はジミーの“悪人にはなり切れない”魅力が炸裂。単に保身のためでも女のためでもなく、結局は人としての善良さが、彼に正しいことをさせてしまう。そんな表現が身に染みる。マイクの潜入シーンなど多少冗長の感も。★★★★

1-8『RICO法』

老人ホームの詐欺を暴け 前編。ジミーと兄チャックの関係が主題となり、チャックが弁護士として徐々に回復していく姿が描かれる。いつものユーモアである意味淡々と物語が進んでいく。ゲストのデニス・ボートシカリスは弁護士役が似合うな。★★★

1-9『ピメント』

老人ホーム相手の集団訴訟、いよいよ盛り上がると思いきや……。テレビドラマとしてはスタンダードな(だが高品位の)作り。ジミーとチャックの最後の会話は聞きごたえあるが、もう一歩充足感が欲しい。マイクのサブプロットは笑いあり緊迫ありで良し。★★★★

1-10『マルコ』

シカゴに戻ったジミー。詐欺の相棒マルコとの再会と離別が、彼に自分自身を取り戻させる。全編ほろ苦い演出で、ジミーの良心が老人たちの心を掴んだ電話描写が泣ける。そして最後、マルコの指輪をさすり良心に決別するジミー! カッコいいじゃない! ★★★★

 

まとめ

総ポイント数

39 / 50

平均

3.9

感想

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