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スター・トレックのスールーはゲイに「する」べきではなかったという話

少し前から議論が起こっていた、『スター・トレック BEYOND』でスールーがゲイとして描かれる話。かつてスールーを演じたジョージ・タケイの主張は納得できるし、一方ジャスティン・リンら制作者側の発想もわかる。

bylines.news.yahoo.co.jp

 

ただ、思うのだ。もしスールーが、実は女だった、と描写されたら、どんな反応が返ってきただろう。

役者をどうするかという話はおくとして、スールーが女だ(本当は前から女だったけど、そう描写しなかっただけだ)ということにしたら、物凄く大きな議論、そして反発が起こったと思う。

男性キャラを女性にすれば、大きな議論がおこる。ところが、男性キャラをゲイにすると、「おお、多様性が表現されていいよね!」ということでスルっと受け入れられてしまう。

ゲイという性やジェンダーは、作劇の都合で簡単に置換されてしまう、男や女よりも「軽い」ものとして扱われていることにならないのか。

だとすれば、それはスールーというキャラクターの軽視だし、スールーを演じ、ゲイであるジョージ・タケイの軽視とも言える。

 

ジョージ・タケイがそう考えていたのかはわからない。他人の考え方はいくら想像したところで、わからない。あるいは制作者側も、そこまで考えたうえで、やはりスールーをゲイとしたほうがいいと考えたのかもしれない。

ただ、自分の中では、そんな思いが渦巻いている。ジョージ・タケイが言うように、ほかにやりようがあったのではないか。