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ハウス・オブ・カード 第4話:海外ドラマレビュー

『ハウス・オブ・カード~野望の階段~』第4話。話が教育法案に戻り、今回フランクは所属する下院議会で、法案実現と自らの力を強めるため立ち回る。その見事な駆け引きに相変わらずニヤニヤが止まらない、大人のストレス解消ドラマだ。

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あらすじ

下院院内幹事であるフランクが起案した教育法案は、下院議長バーチの反対にあっていた。フランクは序列第二位の院内総務ラスムッセンを利用し、側面から政治的駆け引きをしかける。

駆け引きの手駒を得るため、フランクは配下の議員ピーターに、彼の地元の造船所の維持案を反古にさせる。公約をつぶされたピーターは再び麻薬に溺れ、クリスティーナとの関係はついに破たんする。

一方フランクの妻クレアは、夫の強い意向に応じてサンコープ社からNGOへの再度の献金を断る。資金集めに苦慮する彼女は、写真家アダム・ギャロウェイの協力を仰ぐ。クレアとアダムのあいだには、仕事以上の関係があった……。

ラスムッセンを陥れ、バーチの信頼を得たフランク。そこにゾーイからの電話が入る。彼女は新聞社を辞め、ひとりのジャーナリストとして、情報源のフランクとの協力関係を選んだのだ。ゾーイに誘われ、フランクは彼女の家に向かう……。

 

感想

概要

地方の話から本筋に戻って、教育法案の続き。序列第三位の切れ者フランクが、熱血単細胞な下院議長と昼行燈の院内総務を篭絡して、思いどおりの結果を得ていく。次々あらわれる障害を、知恵と機転でクリアしていくこのスタイルは、本当にゲームのようだ。

f:id:debabocho:20131105233111j:plainフランクとクレアの関係の描写にも、また面白みが出てきた。クレアがかつて写真家アダムと浮気関係にあったことを、フランクは承知しているようだ。クレアが再びアダムと会ったことをフランクに告げるシーンでは、むしろクレアのほうが動揺している。

二人の結婚生活は、互いのビジネスを進めるための協力関係をベースに成り立っているように見える。しかしその根底にある愛情の流れは、どうなっていくのだろう?

フランクに弱みを握られ、いいように使われているピーターは、いよいよ追い込まれてきた。生命線の公約をいとも簡単に切られ、どん底に沈む彼が今後どうなるのか、楽しみだ。 

見どころ

今回相手になるのは、フランクより立場的にも年齢的にも上の老政治家ふたり。ただ、この二人……演じるラリー・パインとマイケル・サイベリーと、ケビン・スペイシーとが同じ画面に入ると、役者としての違いが明確にわかる。

メイクやライティングもあるのだろうが、二人に比べスペイシーのほうが、凹凸・陰影が多く、ただ顔を映すだけでも表情豊かに見える。ひとむかし前、映画役者とテレビ役者では顔が違うとよく言われたけれど、なるほど、スペイシーは映画顔だ。

 

今回目を奪われたのは、なんといってもラストシーン。謀略に次ぐ謀略をやり終えて、望んだ結果を手に入れたフランクが、ゾーイの家にのっそりと姿を現す。まだあどけなさの残る顔に、挑発的な目線でフランクを見つめる下着姿のゾーイ。そしてフランクに命じられたゾーイは、彼の目前で、ヒールを脱ぐ。

『セックス&シティ』でも、主人公キャリーがプライベートな場でヒールを脱ぎ捨て、Mr.ビッグとの身長差で親密感を表すシーンがあったけれど、これはもっともっとエロティック。素足フランクの目線で見下ろす形で、ただでさえ背の低いゾーイの視線が、さらにもう一段下がるギャップ。それは男の支配欲が満たされる瞬間だし、逆に言えば、女が男の懐に切り込んでいく攻撃の姿勢とも見える。ぞわぞわする。

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