読書端末『キンドル ペーパーホワイト』の2013モデルを買った。何冊も読み止しで放置してきたせいか、物体としての本のワサワサした感じがイヤになってきて、そろそろ潮時かなと思って。あと『新☆ハヤカワ・SF・シリーズ』が配本されてるのも大きい。
持ってみた第一印象は「重いのに軽い」。で、1冊本を買って読み始めてみると、これぜんぜんアリだと思う。
スタートレックな読書感
ちょうどAmazonで最新版が出たタイミング。2000円弱のクーポンがついて、9,980円。シンプルで薄いこの形状だけとって言えば、さまざまなタブレットデバイスの祖である『新スタートレック』の端末装置PADDに、もっとも近いと思う。もちろん、画面は読書特化の電子インクだけど。
特化というだけあって、さすがにフォントは綺麗。最小にすると文庫本とほぼ同じ感じになって、思った以上に違和感がない。バックライトも適切な光量に調整できるし、ページ遷移のタイミングも気にならない。また一歩、生活がスタートレックに近づいた。
欲を言えば、待機モードの電子インク待ち受け画面がダサい。壁紙は自分で入れられたらいいのに。
軽いんだけど、なんか重い感じ
不思議なのは手に持った感じ。総体としては軽く、片手で持ってじゅうぶん読書ができるし、持ち歩けると思う。でもなぜか、紙の本より重量感を感じる。これはやっぱり、バッテリーなんかの密度のある金属部品の配置で、重心がよってるせいなんだろうな。紙の本にはない不均質な重さ。
ふと、手持ちの文庫本とどっちが軽いんだろうと思って、キッチン用のはかりで測ってみた。
Kindleは207グラム。本棚のSF文庫をいくつか測って比べてみると、ル・グインの『闇の左手』より重く、イーガン『しあわせの理由』より軽い。読後感はどっちもずっしり来るのにね。
読み慣れたジャンルから始めると違和感が少ない
ともあれ、少なくとも、ダン・シモンズやデイヴィッド・ブリンの本を鞄に入れて持ち歩くよりはラクになったわけだ。
1冊目は、ジェイムズ・S・A・コーリィの『巨獣めざめる』を買ってみた。特撮みたいなタイトルだけど、むかしから読み慣れた翻訳ものの宇宙SFなんで、スイスイ進む。これもあって違和感がなかったのかもしれない。
期待してる『新☆ハヤカワ・SF・シリーズ』のKindle配本は、物理本とおなじタイミングなのかな? だといいけど。まあなんであれ、これで場所に心置きなくイーガンの新刊が楽しめるようになった。よしよし。
どうでもいいけど、ハヤカワのSF文庫本を測ってみると、250グラム以上か、190グラム以下のどちらかに偏ってる感じがする。これって米国SF作品の長さが長大かライトかに分かれてるから、こうなってるのかね。マーケティング的ななにかを感じた。