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farsite / 圏外日誌

Gaaoline's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

Law & Order シーズン17 - 海外ドラマ全話レビュー

Twitterを使った『ロー&オーダー』おおよそ140文字エピソードガイド&感想、第17シーズン。

あらすじ

f:id:debabocho:20130923190931j:plain27分署では引退したフォンタナ刑事に代わり新米女性刑事のニーナ・キャサディ(ミレーナ・ゴヴィッチ)が配属となる。偶然挙げた功績とその美貌によるPR効果も考慮され、異例の若さで刑事となってしまった彼女は、ヴァン・ビューレン警部補からの厳しい視線を受けながら、グリーン刑事の指導により成長していく。

いっぽうNY地検では、殺されたボルジア検事補の後任としてこちらも若きコニー・ルビローサ検事補(アラナ・デ・ラ・ガーザ)がマッコイ検事補の部下として着任。

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 エピソードレビュー

17-1『スクープ写真の真実』

シーズンが明け警察側にも検察側にも若い女性の新顔が。これまでのキャラ交代エピとは異なり、特に新人キャサディ刑事の背景や性格づけを巧くプロットに巧く織り込んでいる。物語はパパラッチの絡む芸能界殺人。派手さがあって楽しい。★★★★

17-2『アバター

キャストの若返りを印象付けるサイバー犯罪もの。若者言葉が飛び交うSNSに常識の通じない子供。新キャラのキャサディ刑事とルビローサ検事補がよく対応して面白い。競合ドラマの影響か刑事編のサイコパスの描写も派手で、初期シーズンからは隔世の感。★★★★

17-3『愛しき我が家』

衝撃のオープニングから始まる建物を巡る事件は、醜い遺産争いを露呈させる。後半はマッコイ検事補の元妻の離婚弁護士が登場しルビローサ検事補が噛みつく、どこかコミカルな展開。冒頭シーンの特撮は自然で、一般ドラマへのCGIの普及を実感。 ★★★★

17-4『血塗られた憎悪』

アラブ系アメリカ人が殺されて、その背後に過激派のテロ計画が浮かび上がる。9.11以降迫害されるアラブ系市民と、それ故に国を信じずテロに走る若者。複雑な憎悪の連鎖を、モスクの導師との対話を軸に真摯に描く。映像的にも衝撃の強い問題作。★★★★★

17-5『大衆殺人』

4-1話と同じく性犯罪者を追及するテレビ番組が引き金となる殺人事件。誰もが憎む犯罪者への制裁殺人であり、被害者=犯人の悲痛な叫びが耳に残る。真の悪は殺人犯を煽るテレビである点を、当のテレビ番組が描くことは、倫理として正しいことだと思う。★★★★

17-6『戦争成金』

軍事企業のトップの殺害。それは兵士による欠陥防弾ベスト支給への報復だった。欠陥品により殺された兵の命を背負ったマッコイ検事補の、欠陥を許容した責任者への正義の追及。その迫力に圧され涙が出る。ブランチ検事の「正義を高望みするな」は名訳。★★★★★

17-7『酒の中の真実』

特定の民族が社会の重要層を占め牛耳っているという、妄想による激しい差別と憎悪を親から植え込まれた子供は、それを信じ込み凶行に及ぶ。しかし親は本当にその妄想を信じていたのか? 父親の情けない正体と共に差別問題の核心を突く重苦しい物語。★★★★★

17-8『殺人の責任』

パーティーに来た女性をナンパし脱がせるビデオで荒稼ぎし、セックスの強要までしていた男。無数の女性を貶めた責任をどうとらせるのか。突飛な訴因をよどみない論理で説明し、過去の判例引用も忘れないマッコイ検事補はまるで裁判アンドロイド! ★★★★

17-9『正義か復讐か』

無期懲役の凶悪犯が逃亡、刑事編は分刻みの緊迫した追跡となる。その終わりはあまりに悲惨、銃声のあと小学校の教室に散らばる子供の遺体の衝撃は、フィクションであることを忘れるほど。裁判編は政治も絡む死刑制度と法の執行に関わる議論。★★★★★

17-10『役員室への道』

個人的によく記憶しているが、これは当時のヒューレットパッカード社社内盗聴事件を起こした女性会長パトリシア・ダンがモデル。彼女が実はレズビアンだったという展開は辟易したが、終局、権力ある女性への蔑視というテーマに昇華したのは見事。★★★★

17-11『亡骸の行方』

保険に入れない弱者に、不正取得した臓器の移植を行っていた医師。しかしその移植が癌まで移すことになったら? 責任を求める検察と治療を是とする医師の正義のぶつかり合い。陰鬱な雨を眺めるマッコイ検事補の表情が、視聴者の心にも問いかける。★★★★

17-12『善意か売名か』

セレブの秘密+アフリカもの。アフリカの窮状を世間に訴えるために当地から養子を取るセレブの流行をやり玉に挙げ、偽善が引き起こす惨状を描く。捜査は二転三転するが、予想しやすい展開ではあった。ラストシーンのルビローザ検事補が妙に可愛い。★★★★

17-13『打ち砕かれた希望』

自らのパーキンソン病の為にES細胞の研究をする科学者が抱いた、研究を冒涜と非難する右翼評論家への殺意。その責任の行方を、太って再登場のアドラー弁護士が過激に論じる。ブランチ検事、マッコイ検事補の気の利いたセリフも印象的。★★★★

17-14『聖なる殺人』

キリスト教で禁じられる同性愛を、聖職者自身が破ることは実際にもよくあるスキャンダル。この問題を新興宗派に託して描く。金にまみれた教会でも、同性愛の青年、聖職者、その妻それぞれが自らの救いを求めていたというある意味健気な信仰心の物語。★★★

17-15『るつぼの街』

映画監督を殺した容疑者は、イスラム系の男と南米不法移民のふたり。例え無罪でも有罪になりやすい弱い立場のふたりを無慈悲に裁判にかけるマッコイ検事補。その正義はどこにあるのか、考えさせる。ルビローサ検事補の容疑者を思う言葉が響く。 ★★★★

17-16『2度目の対決』

O.J.シンプソンの殺人告白本をネタにしたエピ。元ネタが有名すぎてなんとも感想を持ちにくい。犯人ではなく相手の弁護士役の顔がシンプソンに似ているというのもなんとも。すべて片が付いて満足そうに頷くマッコイ検事補が少し可愛かった。★★★

17-17『神の怒り』

進化論の代わりに創造説を教えることを主張する宗教右派。この論争を題材に宗教を信じ切ってしまうが故の地獄を描く。マッコイ検事補おなじみの宗教の欺瞞を突く弁論、久々メルニック弁護士との対決と奇妙な友情を描き、ラストは珍しい詩的な終わり方。★★★★

17-18『輝きの陰に』

黒人女性ラッパーを殺したのは、彼女の不倫相手のユダヤ人か、悪名高いレーベルのオーナーか。翻る証言にかく乱され、知らずに「悪人だから犯罪者だ」というセオリーに陥ってしまうマッコイ検事補。そこに潜在的な黒人差別があるのではとの啓発。★★★★

17-19『異国の毒』

ロシア人実業家がリシンで毒殺される。となれば元KGBの絡む国際政治かと思いきや、国際少女売春の問題を絡め哀しい親子の物語に。娘を思う父の心に何かを感じたマッコイ検事補。彼が最後に見せる今までみたことのない精一杯の笑顔に胸がときめく! ★★★★★

17-20『もう1つの殺人』

性的暴行目当てに少年を誘拐する男。しかし彼の家にはもう一人、飼われていた少年がいた。彼の起こした犯罪に罪はあるのか? 誘拐物は緊迫感のある捜査が楽しめる。裁判編は少年の罪を追求せざるを得ない勝者なき裁判。重苦しさが残る。★★★★

17-21『虐げられた英雄』

イラク帰還兵の医療問題がテーマ。捜査編は捜査があっちゃこっちゃ行って、流れを追いづらかった。法廷編では帰還兵向け医療の実態を暴露。この告発のためにつくられたエピと言える。マッコイ検事補の抑えられない正義感が微笑ましい。★★★★

17-22『受け継がれるもの』

深刻な児童虐待事件が、スタンリー・トゥッチ似の変人判事の登場で一気にコメディに。容疑者もキャシディ刑事もキレまくり混沌とする展開だが、最後、ブランチ検事とマッコイ検事補の感情の交流で、法と感情というテーマが見事に収束する。★★★★★

シーズン17 まとめ

総ポイント数

92

平均

4.18

感想

4点エピがコンスタントに続き、かなり平均点の高いシーズンとなった。5点エピも甘くつけすぎたかなと思うけれど、バラエティに富み、どれも見ごたえのあるエピであることは間違いない。

いよいよサム・ウォーターソン演じるマッコイ検事補が法廷に立つのもおわり。同時に保守派というキャラで存在感をみせたブランチ地方検事も降板となる。最後のエピは、かつてのシフ検事のように重厚な裁判でみたかったが、そうはならなかったのが少し残念(面白いエピだけどね)。

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