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farsite / 圏外日誌

Gaaoline's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

海外ドラマ: スタートレックヴォイジャー: おおよそ140文字全話レビュー シーズン3

海外ドラマ ジャンル:SF ジャンル:宇宙 スタートレック

シーズン3まで来た。5段階評価は★3つが「いつものスタトレ」で、★4「おおっ面白い!」、★5「こりゃ傑作じゃ!」、★2「んーちょっとなあ」★1「これは無いよね」という、しごく感情的なもの。10段階にすると、いろいろ要素分析的な面が出てきそうだから、5段階です。

で、★3の「いつものスタトレ」の基準がどこにあるかっつうと、カーク船長の言葉のとおり、それはわたしの心の中にあるのです。



3-1『ケイゾン総攻撃(後)』
艦をどう奪還するか。人工知性のドクターと人格障害のスーダが絶望的な状況下で戦う展開は燃える。スーダが独り決意する場面は今回の頂点。艦長たちの地上編は良質のアクションだが、艦側とは全く絡まなかったのが全体の構成としては残念。★★★


3-2『伝説のミスター・カトー』
オリジナルキャストをゲストに迎えたお祭り編。神秘的な精神融合が単なる便利アイテムに。まあ楽しいからいいんだけど、“なんでこんなウィルスが発生したか”まで踏み込んでくれたら上質のSFだった。光子魚雷のエフェクトがST6準拠なのが微笑ましい。★★★


3-3『地獄星からの脱出』
トム&ハリー友情物語、ムショ暮らし編。原題は“滑り台”の意だが、そのとおり絶望の底に落ちていく二人の演技が胸を打つ。影の多いセットも良い。脱出まであと一歩のところで現れる光景は古典的なSF的展開。しかしなぜ邦題はKissのアルバムなんだ? ★★★★


3-4『ドクターのオーバーロード』
ドクターが故障して痴呆症になる。しかし本当に痴呆症まんまの症状はさすがにヒネリがなさすぎるのでは。サブプロットは絵的に面白く、本筋の緊迫感を増すのに役立ってる。前回あたりからCGIの導入が本格的に進み、ダイナミックな絵が増えた。★★★


3-5『救世主フェレンギ
TNG3-8話で出てきたワームホールフェレンギ人、いつか出ると思っていたが、想像通りの話の展開。フェレンギの文化を逆手に取った騙しあいはコミカルで、ファンにとっては楽しいけれど、故郷への帰還の大ネタが軽く流れてしまうのは少しもったいない。★★★


3-6『偽善者の楽園』
ベラナがメインのエピ。テレパシーで記憶を操作する話は多いが、今回はこの設定である女性の人生を再現する。ロクサン・ドースンの熱演や、セットを活かした演出が、運命に翻弄される女性の感情を鮮やかに映し出し、引き込まれる。ラストにもう一捻り欲しかった。★★★★


3-7『聖霊の怒り』
倒れたケスを助けるため、艦長がとんちを解いてガケを渡って大冒険。ジェインウェイの苦しむ姿を楽しめる人にはたまらない。人の心の中にある、合理主義では片付けられない何かを示す物語だが、やはりスタトレ宇宙でこのての話はよほど巧いシナリオでないとツラい。★★


3-8『29世紀からの警告(前)』
ひょんな事から艦は1996年のサンフランシスコへ。テンポ良くアクション多めの娯楽作だけど、きちんとタイムパラドックスの謎も織り込んでるのは良い。艦長「タイムパラドックスだけは避けてきた」て、あんたもういくつも遭遇してまんがな。★★★


3-9『29世紀からの警告(後)』
前編に続きアクションてんこもり、どさくさ紛れにドクターの設定も大きく変えたエピ。時間の謎もわかりやすく筋を通してあり気にならない。明るいタッチで割り切って楽しめた。しかし29世紀人はなんであんなビンボ臭い船で時間パトロールしてるのか。★★★


3-10『暴君の星』
TNG5-15話にも似た精神憑依エピ、今回はケスに異星の暴君が。ジェニファー・リーアンの独り芝居で、普段見せない非常に力強く、セクシーさをも感じる演技。声優も良い。限定された舞台ながらテンポ良く、キャラも活きている。セットがもうすこし上質ならば。★★★★


3-11『レディQ』
Qの子作り宣言で艦長口あんぐりな息抜きコメディエピ。宇宙の運命すら握る事件をお得意の南北戦争のコスプレで見せてしまうわけで、もう掛け合いを楽しむしかない。ホロデッキのリゾートで報告書作るトム&ハリーなど、細かくだらけた雰囲気がまた微笑ましい。★★★


3-12『巨大ウィルス』
艦内アクションエピ。CGI製作で実績のあるファウンデーション・イメージング社が参加して、先進的な取り組みができるようになっため、その腕試しといった感じ。話は盛り上がりに多少欠けるものの、マクロウイルスの発想は面白いし、絵的にも楽しい。★★★


3-13『密売人』
ニーリックス主役のエピ。地位を失うことを恐れる彼が、些細なことから悪に手を染め転落してしまう恐ろしさを描くわけだが、どうしてもシリアス&ダークなイメージがしっくりこず、軽く感じられてしまう。しかし“プラズマと麻薬の不法取引”って凄い響きだな。★★★


3-14『ホログラムの反乱』
またホロデッキか! 今回はあろうことかキムとトゥヴォックが恋敵に、しかも相手はホロキャラクター。謎の知的生命体に侵入される展開も正直見慣れてしまった感がある。もう少し驚きがほしい。ただ最後は、孤独な女性の恋が静かに描かれ、共感できる。★★


3-15『霊界からの誘い』
艦長&チャコテイのラブボートかと思いきや、過去のTNGエピソードで“見たことある”のつぎはぎのようなエピ。3-7話と同じく艦長のキャラを掘り下げ感情の機微を描きだす為の脚本なんだろうが、ちぐはぐな展開が続き物語が胸に落ちてこない。★★


3-16『消えた村の謎』
洞窟探検でベラナの発情期という、なんとも形容しがたいエピソード。まあ物語は二の次で、様々なキャラの人間関係が楽しめる。ベラナのタガの外れた欲情にパリスが耐える姿はたまらない。そしてラストは、シリーズファンならドキドキの展開! ★★★


3-17『ボーグ・キューブ』
銀河文明の脅威となりうるボーグの同化技術。それから解放された人々の混乱と苦悩が、少しづつ明らかになっていく。同化された女性の顔があらわになるシーンははっとさせられる。きちんと社会が描けているし、セットもSFXもダイナミックで見応えがある。★★★★


3-18『ドクターの内なる闇』
ドクターの機能強化の為に歴史人物の人格サブルーチンを統合して取り込んだら、別の独立した人格が生まれ、ドクターを乗っ取った。ある意味サイバーパンクな設定だが、演出はまるで古典的な舞台劇。トゥーヴィックスにも似た話で新鮮味は薄い。★★


3-19『謎の小惑星
様々なSFで語られる軌道エレベーターのアイディアが、世界で初めて実写化される。ところがコレがあまりにもあっさり登場し、なんとシナリオはエレベーター内の密室スリラー! 贅沢なアイディアの使い方にある意味感動した。しかしニーリックスのウザさは凄い。★★★


3-20『女達の星』
ハリーの災難、女難編。まあハリーは毎回女性でひどい目にあってる気がするが。クラシックな妖女ホラーの設定をSFに置き換えて、女性文明が男性の性を奪う様子を仔細に描いたが、説得力も盛り上がりも無い。オチもド直球。TNG1〜2シーズンのような内容。


3-21『9才のケス』
人生のすべてを一瞬で体験するというSFプロットは多いが、寿命が9年しかないケスの設定と、死の直前から時間を遡る逆行時間のアイディアと組み合わせ、謎解きとサスペンスを与えている。アイディアの勝利。オチは少し納得感がないけど、描かれる世界は面白い。★★★★


3-22『ドクターの家庭』ドクターの人間性獲得の物語の頂点。仮想人格が自身の為に作った、二重の意味で仮想的な家族。ところが、そこに現れる苦悩と愛は真実。人間性とは何なのか、考えさせられる。ハードSFよりのサブプロットも、ベラナとトムのさりげない会話も楽しい。★★★★


3-23『遠隔起源説』
傑作。これはガリレオの物語だ。太古に地球を離れた恐竜人類を主役とし、彼らが人類を観察する視点の転換や、互いの祖先を知る過程には知的興奮がある。そして科学的真実が体制の前に崩される悲劇と、小さな友情が涙を誘う。原語では元老院の老女の演技が傑出。★★★★★


3-24『消えていくクルー達』
前半は邦題どおりのミステリー、後半は船に戻るアクション展開。スピーディな展開でクルーがチームワークで謎に挑んでいくのは心地よいし、ドクターのユーモアもいいアクセント。ベラナとトムの恋愛は、毎度極限環境で鞘当しすぎ。ベラナ可愛いけど。★★★


3-25『反乱』
シーズン3も終盤、スタトレらしさの源であるクルーの家族的な関係がずいぶんなじんできた。今回はクルーに緊張感があった頃に擬似的に戻ることで、今の雰囲気のよさを巧く見せてる。シナリオは遊び心満載で役者も楽しそう。こちらもクルーの一員となったように楽しめる。★★★★


3-26『生命体8472(前編)』
いよいよ恐怖の集合知性種族ボーグが正面から登場。ヴォイジャーはボーグと同盟という意外なシナリオに。全編ミリタリー色の強い、緊張した展開。異例の判断を下す艦長と副長の対話も見応えがある。しかし最強の敵より強い敵、というのはいささか安直。★★★★



シーズン総合スコア:82★/130★(100点換算=63点)