farsite / 圏外日誌

Gaao Line's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ズートピア - 動物アニメの超変化球。差別と社会、政治を描くSF映画

様々な動物たちが入り乱れて楽し気な『ズートピア』。ふたを開けてみたらこの映画、ものすっごい変化球だった! 犯罪捜査ミステリから、なんとハードな差別問題を描き出す。そしてこれ、れっきとしたSF、思考実験としてのSFなのだ。 なにがSFって、そもそも…

レヴェナント - スタートレックの原型って、西部劇だと気付く映画

復讐者グラスの宿命の物語。その凄まじさに魂を持ってかれながら、心のどこか別の場所では、これってまさに『スタートレック』の原型なんだな、と感じていた。いや復讐の物語がではなく、その土台にある「西部開拓」というシステムそのものが、だ。 舞台は19…

『スポットライト - 世紀のスクープ』 - 有能な上司がすべてを変えるというビジネス映画

カトリック教会の小児性愛スキャンダルを暴いた、2002年のボストン・グローブ誌の取材チームの活躍を描く映画『スポットライト』。事件がどれだけ酷いものかは語りつくされていると思うんで、「物語」としての感想を書くと、びっくりしたのは、編集局長マー…

『ルーム』 - 犯罪被害者の苦痛は永遠に続く。辛い映画。

たとえばドラマ『クリミナル・マインド』なんかそうだけど、異常犯罪・猟奇犯罪をテーマにしたサスペンス・ドラマはたいてい、警察VS犯人、事件が解決するまでを描く。事件の「被害者」は、実のところ脇役でいることが多い。ところが、この映画はその逆を行…

いよいよテレビ視聴の軸足が放送からネット配信に移ってきて怖い

長らく(20年ほど)海外ドラマ漬けのテレビライフを送ってきたんだけど、その視聴の軸足が、いよいよ放送電波からネット配信に移ってきたかも、と感じている。スカパー! の海外ドラマ系チャネルやBS放送から、Hulu, Netflix, Amazon プライム・ビデオに。 …

1999年12月31日の想いで

1999年の冬は北京にいた。大学の短期留学プログラムで、当地の名もない私立学院の、殺風景な寮に住んでいた。 2000年を迎える12月31日は、どうせ外出しても混むだけだろうしということで、友人たちもみな寮にいたのだけれど、夜中になって誰かが急に、花火を…