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farsite / 圏外日誌

Gaaoline's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

食い意地:ガストロノミー ジョエル・ロブションのフレンチ

まあいろいろと理由はあるものの、自分の心のなかではこの10年の仕事を辞めた区切りということで、アホみたいに高級なお食事をいただくことにした。

恵比寿の南、ガーデンプレイスというのは、もともとビール工場があったところを地盤ごと作り替えたのだそうで、その鋼鉄製の人工地盤に載っている建物は失礼ながらどれもディズニーランド的な作り物っぽさがあるなあと思っていた。その親玉的な建物が、このジョエル・ロブション。どこからかの移築だと聞いたけれど、実際なかみもちゃんと、豪奢なレストランになってる。これを偽物なんていったらそれだけでその筋の方々から抹殺されるかもしれないな。

で、やっぱりさすがに美味かった(なんか物凄く失礼な書き方だけど)。

何が違うって、肉も魚もフォアグラも素材が違う+焼き加減が圧倒的に違う。エクステリア的な調理の手法以前に食材や基本調理のインフラが物凄く整ってる感じ。下地の実力が違う。

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メインは牛フィレのグリル。スパイスとまじりあった肉汁もさることながら、肉そのものの噛みごたえがほんとうにベスト。付け合わせのセイヨウワサビのまろやかな辛さも印象的。

メインの前の魚は、メニューでは「串もの」となってる。スズキを3つに切り分けた形でウイキョウの枝の串に刺さっていて、このウイキョウの香りがほんとうに利いている。

さらにその前。鉄板焼きにしたフォアグラを、リゾットの上に載せたもの。いやーやっぱりいいわね上モノのフォアグラは。表面はカリっと、中はぷりゅんと半生。でもぜんぜん生臭さとかしつこさがなく、ガチョウの肝臓をこんな焼き方ができるように育てる技術にちょっと感動。

ちょっと尖ってたのが、魚の前、最初のアミューズのあとにくるキャビアとウニ。甲殻類の濃厚な味のあるゼリーの中にウニが入っていて、上にのったキャビアと一緒に食べる手の込んだもの。飾り付けもゼリーの表面に葉緑素で点描したりして凝ってる。もっの凄く海の味、塩の風味が濃厚。シェフとしてはここでいちばん個性を出したいパートだと思うんだけど、それゆえ個人の舌のバランス感覚に依るというか、好みの別れる皿だと思った。

ホスピタリティーも素晴らしいと聞いてたんだけど、確かにメインの方は確かに奥ゆかしくもちょうどいいサービングで嬉しかった。ただ若手のパンとかもってきてくれるひとのほうが評判悪し。親しみやすさをだそうと演じてたんだろうと思うけど、ちょっと鼻で笑ったりおどけて見せたり、それでは親しみやすさより無礼さが立つと思う。がんばってください。

食後の小菓子はLED証明に飾られたトレーに山盛りになってやってきて、ここだけ香港の飲茶というか、山盛りのカラフルなマカロンがちょっとした博多山笠だった。チョコやケーキは無理だったんでおとなしくミントの砂糖菓子を取ったけど、はー、口の中でほろけてうまかった……。

そんなわけで年に1度のおフランス、楽しませていただきました。

 

ところで、昔は世界で最も予約の取れないレストラン『エル・ブリ』とか、すっごい憧れでいつか行ってみたいと思っていたけど、感じ方がちょっと違ってきたなーと実感してる。今はなんというか、きっとエル・ブリが今もあって、行ったとしても、これはイイのあれはハズレだの、あーだこーだ言いながら食べちゃうんだろうな。そういうもんだと思う。

ていうかエル・ブリは手法がコピーされすぎちゃってありがたみが……。食べたこともないのに、本と映画で観てるから、あ、これエル・ブリ風ねなんて思っちゃう。情報化社会はよくない。

 

ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション

食べログラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション