むかし働いていたオフィスの近く、茅場町と八丁堀にそれぞれ1店ある立ち食い蕎麦の『がんぎ』は、夜になると立ち飲み屋になる。蕎麦は、これを立ち食いの値段で食べていいのかという味だけど、夜のつまみの味もとってもいい。常連のおっさんたちに紛れて、久々に飲んだ。
まずは塩辛。そしてなみなみと注がれた日本酒(この前に既にビールを飲んでいる)。メニューにある値段ぶんの食券を勝って、カウンターで注文するスタイル。お値段はどれも300円~600円ていど。もともとへぎ蕎麦の立ち食いだけあって、日本酒も新潟のもので、種類がある。
しいたけ焼き。
アジのから揚げ。
スペシャルメニューだった「いもぼう」。芋と棒鱈の略だそうで、棒鱈じたい初体験。いちど完全に乾燥させたタラを、水で戻して煮付けてあるそうだ。ぎゅっとなった身の味もそうだが、面白いのが骨! 小骨も背骨もぜんぶ柔らかくなっていて、まったく引っかからずに食べられる。すごい。
「しめ蕎麦」260円。ミニどんぶりのぶっかけ蕎麦だが、ネギ、ワカメ、おろし、鰹節とてんこ盛りになっていて、麺 もおどろくほど分量がある。ふつうの立ち食い店とは一線を画した、表面はつるりとして噛むとしっかりとこしがある麺。布海苔をつなぎに使ったへぎ蕎麦だ。考えてみれば、へぎ蕎麦もここでしか食べたことないんだけど……。
清潔感のある店だから、けっこう入りやすいのもありがたい。ほんといいお店。