時代劇が好きなのは、1.一話完結でストーリーが成り立つ。2.キチンとした撮影で味のある画面。3.出演者が芸達者のおっさん&姐さんばっかり。だから。安っぽいビデオ撮影された30歳以下のアイドル役者が繰り広げる恋愛を12話ぶん観るには、あたしゃちょっと根性が無いのです。あ、ちなみに水戸黄門は例外ね。あれはもう規格外だから。
てなわけで帰国以来のマイ・フェイバリットは 御家人斬九郎。『八丁堀の七人』は片岡鶴太郎が苦手で観られないんだが、こっちは帰国以来ずっと(以前も一時帰国するたびちょくちょく)観てた。かなり不満のあるストーリーも多かったけど、なにしろ渡辺兼といい若村真由美といい岸田今日子といい、役者の魅力的な表情がたっぷりでもうアンタ。
きょうはその最終回。なんとレターボックスサイズでの放送。ハイビジョン撮影か、それとも高級フィルムで撮ってるのか、もう絵が魅せるのなんの。ああんシャープのテレビデオじゃせっかくの画質がキチンと観られないのが悔しい! 特にゲイシャというともすればイロモノ的存在を、現代的な感覚でここまで綺麗だと思わせるとは。おしろい塗りたくった若村真由美は感動の域。最後の斬り込み前にBGMと共にレギュラーの面々の表情が流れたときは、その画面の美しさ、表情の豊かさが極まってドラマ世界に引き込まれ、思わず涙してしまった。ここの画面はホント、『ER』みたいなアメリカ産一流クオリティドラマかと思った。しかしさすがに殺陣の時にBGMで "Show must go on!" なんて歌われたときは、ちょっとやりすぎかなあと思いましたが。歌詞付きはちょっと萎えるなあ。それとも実は脚本原案にシェイクスピアがあったのか?
ただ、ストーリーの見せ方としてはやっぱり不満が残る。開国という大きな歴史の流れに絡まった小さなサムライの仇討ち話というのは、いままでが時代背景に関わらない人情話だっただけに最終回らしくていいんだが、練られた美しいイメージをみせようとするあまり、お話そのものは実は薄いような。特にエンディングを明確にしなかったのは、個人的にかなり好きでない。主人公が殺されたのか、それとも開化後も生き延びたのか、ちゃんと納得のつくお話が欲しい。印象的な映像やセリフ、キャラクター性を重視して、物語を軽視するってのは、日本的な芸術の伝統なのかなあ。あんまり「日本的」なんてくくり方はしたくないんだけど。
こうなると原作が気になる。図書館を探すべきか……。しかし時間が……。
次の時代劇は『盤嶽の一生』。役所広司が時代劇に戻ってきた! 万歳! 苦悩するサラリーマン役所広司なんてもういらない! もういちど『三匹が斬る』の粗野で豪快でオトコ臭い役所を我々に! ……と期待してるが、どうもまた暗く込み入ったストーリーの話っぽいのでどうかなあ
追記:ぜんぜんちがいました。最初は「万石の一生」って三匹時代の千石が出世した話かと思ってたヨ。読み方はバンガクらしいが。
- 朝シリアル。カルビーのブラウンシュガー。
- 昼カップ麺。卵とネギごっそり入れて。
- 夜スパゲティ。レトルトのトマトソースで。