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Gaao Line's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

海外ドラマ: ギャラクティカ 47話『父として 兵士として』

――ギャラクティカ内に作られた難民キャンプ。ここに暮らす惑星サジタロンの出身者たちは、文明が存続していた頃から、その特殊な宗教的習慣が原因で、他の惑星出身者から差別されていた。キャンプの責任者となったアガソンは、信仰から医者の診察も拒否するサジタロン難民に苦慮していた。そんななかアガソンは、キャンプに流行しはじめた伝染病と医者の診察とに、奇妙な因果関係があることを発見する――


先週まで続いたヘビーなスペクタクルと謎解きのあとは、構成としてインターミッション的エピソードが来るのはわかる。が、それがストレートな人種差別問題を描いたお話だったりするから、まったくギャラクティカは息が抜けない。

星間移民を果たした人類の子孫であるコボル文明。黒人も白人も東アジア系も中東系もラティーノも混ざって働き、みんな仲良くヌードルを箸で食べる彼らに差別がないかといえば、12惑星のうちひとつが、その対象となってしまっているのだった。それが惑星サジタロンだ。ちょっと設定が乱暴すぎるかもしれないが、このような設定で人種差別を正面から描くのは、『宇宙大作戦』の頃からのテレビSFの大切な役目だ。

ただ、『宇宙大作戦』の時代とは違い、今のギャラクティカが放映されてるのは21世紀の地球だ。英米のテレビドラマでは、ありとあらゆるかたちで差別問題の提起がなされている。そんなだから、ストレートな差別問題提起のエピソードをやっても、少し乗り切れないんだな。

ひとつ、非常に面白い空気なのが、同じくギャラクティカ内に作られた酒場。そこに主要キャラが集まり、三々五々酒を飲んだりボールで遊んだりしてるわけだが、凄く雰囲気がよいのが演技を通して判る。みな、のびのびとヨッパライを演技し、キャラ同士の会話や目線の演技を楽しんでる感じがする。