farsite / 圏外日誌

Gaaoline's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

Law&Order UK: シーズン2(シーズン1後半)- 海外ドラマ全話レビュー

Twitterを使った『ロー&オーダー: UK』おおよそ140文字エピソードガイド&感想、第2シーズン。

注: 日本のスーパードラマTVの放送では英国のシーズン1と2をあわせて “シーズン1” とカウントしている。

あらすじ

f:id:debabocho:20150101152037j:plain

英国検察庁ロンドン支局では、アリーシャ・フィリップス検事補が、彼女を襲った事件から立ち直りつつあった。気丈な彼女と上司のジェームズ・スティール検事は、ロンドン中央地区の凶悪事件の裁判に挑んでいく。しかし彼らを指揮する局長のジョージ・キャッスルが、とある裁判に巻き込まれ、スティールと法廷で対峙することになる。

セントラルロンドン署では、アリーシャを心配するマット・デブリン刑事と先輩のロニー・ブルックス刑事が、ナタリー・チャンドラー警部補のもと殺人事件の捜査を続ける。しかし彼らに立ちふさがる警察内部の腐敗が、ブルックスの心をも傷つけていく……。

レビューリンク

| シーズン1前 | シーズン1後 | シーズン2シーズン3 |

エピソードレビュー

2-1 (1-8)『善良な心』

殺された若き警官は同性愛者だった。原因は彼の相棒のホモフォビアなのか。被疑者をキリスト教系団体の所属者とし、それは本当の信仰なのか、自己の差別心を正当化するための言い訳なのかを厳しく追及する。だがインパクトは米国版に及ばない。★★★★

脚本: Chris Chibnall / 監督: Andy Goddard

オリジナルシナリオ: 米国版 3-21『無情という名の動機』 

2-2 (1-9)『無言の嘆き』

少女の誘拐殺人の容疑者を刺殺した母親。彼女に殺人の権利はあるのか? 倫理を問う裁判劇の後に、もう一段の謎解きが待っている。彼女の社会に対する怨嗟の叫びと秘めたる自己矛盾、愚かさが、鬼気迫る演技で伝わる。役者を魅力的に見せるドラマだ。★★★★

脚本: Emilia di Girolamo / 監督: Julian Holmes

オリジナルシナリオ: 米国版 6-1『復讐の代償』

2-3 (1-10)『助け合い』

住宅街を根城にするホームレスを襲ったのは誰だ? 精神疾患のためホームレスになってしまった男に迷惑を蒙り続けた “普通の人々” の、鬱積した感情が集まり、悪を形成する。最後の最後、その悪が明確に見える瞬間が恐ろしく心に響く。★★★★

脚本: Catherine Tregenna / 監督: Ken Grieve

オリジナルシナリオ: 米国版 4-2『善意の人々』

2-4 (1-11)『いけにえ』

肝臓を盗まれた元犯罪者。都市伝説さながらの事件はストレートに犯人が割れるが……。裁判編はキャッスル首席検事が犯人の弁護士になりスティール検事と戦う超絶展開。彼が20年ぶりにカツラを被り法廷に歩み出るシーンは、驚くべき事に、美しい。★★★★

脚本: Terry Cafolla & Nathan Cockerill / 監督: Robert Del Maestro

オリジナルシナリオ: 米国版 1-21『愛情とエゴイズム』

2-5 (1-12)『愛に死す』

ヘロイン入りコンドームを胃に詰め死んだ少女。彼女にそうさせた男の正体を暴き、追い詰めていく。スティール検事怒りの追跡で彼の意外な正体を暴きだすが、問題は有罪になっても、最後まで少女への心情が不明瞭なままなこと。スッキリ感がない。★★★

脚本: Terry Cafolla / 監督: Mark Everest

オリジナルシナリオ: 米国版 3-10『親切な領事』

2-6 (1-13)『面目にかけて』

麻薬の売人を故意に射殺した汚職警官。彼に対する刑事たちの正義感が、結果的に刑事自身の過去の恥辱を暴くことになっていく。物語は米国版とほぼ同じで水準以上のでき。ラストの舞台設定が非常に巧く、ドラマチックで見栄えがする。★★★★

脚本: Chris Chibnall / 監督: Andy Goddard

オリジナルシナリオ: 米国版 7-5『腐敗』

 

まとめ

総ポイント数

23 / 30

平均

3.83

シーズン2 感想

イギリスのドラマは1シーズンあたりのボリュームが小さいのでポイント集計も偏りやすいが、シーズン1で感じたような良質なインパクトは多少薄れた感がある。米国版に比べ印象的な舞台で役者の表情をがっちりととらえる、より演劇的な演出は変わらず感心するが、シナリオ展開の驚きや巧妙さが薄かったような気がする。それでも、米国版の平均点以上なのだが。

そんななかでも巧妙だったのは2-4話。かなり強引だが、後半の裁判パートで検事どうしの対決を描き、スリリングな舌戦と感情に響く絵が見られる。長年管理職に専念していた局長が、法廷用のカツラを被るシーンはとても印象的だ。また、2-5話は、冒頭の「胃の中のヘロイン入りコンドームが割ける」という死因設定のみ同じで、そこからの展開はオリジナル版とはがらっと印象が異なる、ほぼオリジナルといってよい作品。その展開の出来には疑問も残るが、むしろ疑問を抱かせるところが肝ともいえる、奇妙な愛と依存の物語だった。

シーズン1(スパドラS1前半) | 米国版全話レビュー