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Gaao Line's Web Journal: Writing about US/UK TVs, cinemas, and foods I love.

『母なる証明』 映画感想

ポン・ジュノせんせい大好きなんで観るべきだとは思いつつ、うーん地味だし、同じシネパトスでやってる『戦場でワルツを』にしようかな、と迷ってた。でもやっぱり! と思い直して最終週に駆け込んだが、あきれた。よい意味であきれた。案の定やりたい放題。『チェイサー』があれでまっとうなエンタテイメントしてたのに比べ、やっぱ半歩足を踏み出してる感じ。

何が凄いってあのオチは凄い。まじめにミステリー/スリラーやろうとするなら、あれを敢えてやろうとする勇気はものすごいものじゃなかろうか? だってすべてが笑い話になっちゃうもん。はっきりいってドリフのコントだ(ドリフ世代じゃないけど)。そうなるとエンディングは必然的に、舞台がだーっと回転してみんなで踊りながらまーたらーいーしゅーう、なわけ。で、実際踊る。踊って終わる。えらいやっちゃえらいやっちゃ。

母の持つわけわからんぐらい強烈な子への情念と、それに対する子供のつき放つような“他者”っぷりに引き起こされた凶器の連鎖が、異常な結末をもたらす。ラストで踊り狂う母親をみて、こちらも狂いそうになる。そして、すっごい騙された気がする。さすがポン・ジュノせんせいそこも含めて大好きだぜ!

人によっては、タランティーノに同じようなこと感じるんだろうな。

 

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